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歩いて食べて書いて、ハンバーガーの魅力を発信するブログ

No.18 / 池袋 に行ってきた

ハンバーガーの主役と脇役について。


7月28日、池袋。
私は妻を連れて、名店と噂のバーガー屋を目指した。
頭上から降り注ぐ真夏の殺人光線は酷いものだった。意識が飛びかける。
だが結果から言うと、「No.18」はそれだけの思いをしてでも食べに行くべき店だ。

 店は首都高の下をくぐったあたりに構えている。洞窟のような空間の奥に案内され、カウンター席に座ると、キッチンの様子が良く見えた。早速私は「ベーコンチーズバーガー」を注文し、スタッフがオペレーションに入るのを見守った。

ところでこの席、キッチンが見えるのは偶然では無かった。
バーガーを作る様をショーのように見せているのだ。いわゆるライブキッチンというやつ。特に"魅せ場"と言えたのは、炙りチーズだ。焼きあがったパティの上に短冊状のチェダーチーズを山のように盛り、上からバーナーで豪快に炙っていく。チーズの表面がたちまちなめらかに融けていき、うっすら焦げ目がつくと、カウンターまで香ばしい香りが広がった。このパフォーマンスはいかにも腹が減る!!

程なくして私の目の前には「ベーコンチーズバーガー」が登場。写真と併せて具材を解説すると、上からタルタルソース、レタス、トマト、ベーコン、チェダーチーズ、パティ、オレンジマスタードが挟まっている。
いざ尋常に実食。

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1口目を食べた私の意識はとにかく肉に持って行かれた。
親指ほどのサイズで粗挽きにミンチされた肉を噛むと、ステーキを頬張っているような感覚を味わえる。レアな焼き加減のパティから濃厚な肉のうまみが広がる。
動物の肉を食べたいという原始的な欲求を刺激されるまま、無言で食べ進めたくなるような魔性だ。

だが食べ進めるにつれ、そんな肉のインパクトも、計算されたハンバーガーの1要素なのだと分かってくる。元よりパンチのある味のパティだが、上に香ばしい炙りチーズが乗ることでより深い味わいになっている。そうして濃厚な味になった肉・チーズを飽きなく食べさせてくれるのがオレンジマスタードだ。甘酸っぱく、爽やかで、角が無い。パティの味を引き立たせている。

最後、バンズも語るべきところありだ。「峰屋」のバンズを使っている。
(もっと勉強してから語りたいが)ざっくり言うと峰屋とは、バーガー屋がこぞって使う新宿のパン屋である。峰屋のバンズはもっちりとした弾力があり、手でバーガーをしっかり持っても、具材の汁気を吸っても、最後まで良い食感が持続する。また風味としても、生地からバターの香りやほんのりとした甘味が感じられ、肉のインパクトが強くても全体のバランスをとってくれる。強烈にうまいパティを、うまいハンバーガーとして食べるために、ここでも峰屋のバンズがいい仕事をしている。

"ステーキ"では無く、"パン"で無く、"ハンバーガー"を好きな理由を語るなら、やはりそれはクラウンとヒールとその間に挟まれた様々な具材を一緒に頬張った時に生まれる味わいや食感のハーモニーにあるのだと思う。
もちろん肉が果たす役割は大きい。そのバーガーの印象を決定する要素たりえる。いわば舞台の主役のような存在だ。けれど、いかにうまい肉もそれをバーガーの中でどう目立たせるか、引き立たせるかは、具材全体の構成が決めるものだ。パティという主役が牽引しつつ、様々な具材が名脇役のように味を添えて、どんな料理に仕上がるのか。そんなことを考えながら楽しめるのが、ハンバーガーの魅力だと思う。
No.18のハンバーガーからは、そんなことを考える人間を楽しませようとするこだわりが感じられた。

 

食べログNo.18 (ナンバージュウハチ) - 池袋/ハンバーガー [食べログ]

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